これだけは読んでおきたい!マンガ大賞 歴代受賞作品は?

年に一度、書店員を中心とした有志によって選考されるマンガ大賞も、2022年で15回目となりました!今年のマンガ大賞10位にランクインした『自転車屋さんの高橋くん』が、11月より鈴木伸之さんと内田理央さんによって実写ドラマ化されたことでも話題になりました!

今回は、そんな各方面にも影響力のあるマンガ大賞 歴代受賞作品をまとめました!

マンガ大賞 歴代受賞作品一覧

岳(2008年)

  • 作画・原作:石塚真一
  • 掲載誌:ビッグコミックオリジナル
  • 連載期間:2003年-2012年
  • 巻数:全18巻

山岳救助ボランティアとして活動する主人公の島崎三歩を中心としたさまざまなキャラクターが織りなす、山を通じて語られるヒューマンドラマです。

記念すべき第一回マンガ大賞を獲得した本作は、2011年には小栗旬さん、長澤まさみさんなど豪華キャストで実写映画化もされました。

人間味あふれる陽気な島崎三歩が優しく人々に寄り添う姿や、時に容赦なく人間に牙をむく山の恐ろしさなどを丁寧に描いています。人生に対するリアルな悩みを持ったキャラクターが多数登場するので、共感できるエピソードも非常に多い作品です。

ちはやふる(2009年)

  • 作画・原作:末次由紀
  • 掲載誌:BE・LOVE
  • 連載期間:2008年-2022年
  • 巻数:全49巻

ひょんなことから競技かるたの魅力にハマった主人公の綾瀬千早と、その仲間たちの成長を描きながら競技かるたの頂点を目指す青春物語です。

2016年には広瀬すずさん主演で、全3部構成の実写映画も公開されました。

かるたの奥深い世界を知ることが出来る点はもちろん、競技としての熱い展開や、学生生活での恋模様などを描いており、大人から子供まで心揺さぶられるストーリーとなっています。マイナー競技の世界観ではありつつも、熱くなれるスポーツ漫画としてもおすすめの作品です。

テルマエ・ロマエ(2010年)

  • 作画・原作:ヤマザキマリ
  • 掲載誌:コミックビーム
  • 連載期間:2008年-2013年
  • 巻数:全6巻

古代ローマの浴場設計技師であるルシウスが、現代の日本にタイムスリップし日本の浴場技術を参考に、ローマの浴場に発展をもたらすコメディ漫画です。

2012年に阿部寛さん主演で実写映画化されたことでも話題になりました。

古代ローマにはない日本の浴場技術に衝撃を受ける、ルシウスのリアクションが面白いのと同時に、日本人が当たり前に利用しているお風呂がいかに素晴らしいものであるかを実感させられるのも本作の魅力です。日本の技術を持ち帰ったルシウスが大勢に喜ばれる浴場を作り上げていく様は、読んでいて飽きることなくとても爽快な気持ちになれます!

3月のライオン(2011年)

  • 作画・原作:羽海野チカ(うみの ちか)
  • 掲載誌:ヤングアニマル
  • 連載期間:2007年-
  • 巻数:16巻(続巻)

不慮の事故により両親と妹を亡くし孤独となった主人公の桐山零が、父親の友人でありプロ棋士の幸田柾近と出会ったことをきっかけに、将棋界の頂点を目指しながら周囲人々との交流を経て人として成長していく物語です。

将棋が題材でありながら孤独な主人公の桐山零がいかにして心を融かしていくかという、心温まるストーリーも本作の魅力です。心優しいキャラクターたちと主に織りなすヒューマンドラマなので将棋がわからない人でも十分に楽しめる作品です。

銀の匙 Silverspoon(2012年)

  • 作画・原作:荒川弘
  • 掲載誌:週刊少年サンデー
  • 連載期間:2011年-2019年
  • 巻数:全15巻

農業経験の無い八軒勇吾が、父の圧力から逃れるために入学した北海道の農業高校で、仲間たちと共に切磋琢磨し、農業の厳しさや楽しさを学んでいく青春コメディです。

人気コミック『鋼の錬金術師』の作者である荒川弘先生の母校「帯広農業高校」モデルとした農業高校を舞台に、予測もつかない動物たちの行動に振り回されたり、食用の動物との逃れられない別れなど、農業に携わる人々の苦労がリアルに描かれています。人間の心理描写が繊細に描かれており、キャラクターに共感できる面が多いのも本作の魅力の一つです。

海街diary(2013年)

  • 作画・原作:吉田秋生(よしだ あきみ)
  • 掲載誌:月刊フラワーズ
  • 連載期間:2006年-2018年
  • 巻数:全9巻

鎌倉で暮らす三姉妹が、失踪した父親の死をきっかけに腹違いの妹を引き取り、家族としての絆を深めていく人間模様を描いた物語です。

2015年に綾瀬はるかさん・長澤まさみさん・夏帆さん・広瀬すずさんの豪華なキャストで実写映画化もされました。

どこにでもある日常の様子を淡々と描いているのですが、登場人物の心理描写をとても丁寧に描いており、共感しやすい人間模様に引き込まれます。登場人物それぞれの立場に寄り添いながら、家族としての何気ない優しさや心遣いに思わず涙してしまう感動作品です。

乙嫁語り(2014年)

  • 作画・原作:森薫
  • 掲載誌:週刊少年サンデー
  • 連載期間:2011年-2019年
  • 巻数:全15巻

19世紀後半の中央アジアを舞台に、「美しいお嫁さん」という意味を持つ「乙嫁」たちが、婚礼を通してたくましく厳しい時代を生きていく物語です。デュルク民族という民族が中心の物語で民族文化についての描写が多く、当時の生活様式や非常に細かく描き込まれた独特の文様などが読者の目を惹きます。

5人の乙嫁が登場し、それぞれのキャラに焦点を当てながら魅力を深堀りしつつ展開していく物語から、気づけば目が離せなくなってしまう独特な作品です。

かくかくしかじか(2015年)

  • 作画・原作:東村アキコ
  • 掲載誌:Cocohana
  • 連載期間:2012年-2015年
  • 巻数:全5巻

『東京タラレバ娘』や『海月姫』で知られる、漫画家の東村アキコ先生の自伝エッセイ漫画です。本作では自身が漫画家になるまでの経緯を、高校生の頃から時系列に沿って描かれています。

一人の人間が実際に歩んできた実話に基づく漫画とあって、描写や心情が非常にリアルで共感しやすく読みやすいです。厳しくも人情味あふれる恩師の日高健三先生とのやり取りや、今だからこそ漫画にできる東村アキコ先生の想いがたくさん詰まっており、涙なしには読めない作品です。

ゴールデンカムイ(2016年)

  • 作画・原作:野田サトル
  • 掲載誌:週刊ヤングジャンプ
  • 連載期間:2014年-2022年
  • 巻数:全31巻

日露戦争での闘いぶりから「不死身の杉元」と異名をつけられた主人公の杉元佐一が、北海道に眠るアイヌ民族が隠した金塊を手に入れるために、さまざまな敵と金塊の争奪戦を繰り広げるバトル漫画です。

アイヌ民族のアシリパと共に行動する中で、あまり馴染みのないさまざまなアイヌ文化を学ぶことができるのも本作の特徴で、個性的なキャラクターたちとの面白い掛け合いも交えながらサクサク読み進めることができます。戦闘シーンも戦略的で非常に読みごたえがあり、バトル・コメディ・アイヌ文化すべての要素がバランス良く描かれています。

響~小説家になる方法~2017年

  • 作画・原作:柳本光晴
  • 掲載誌:ビッグコミックスペリオール
  • 連載期間:2014年-2019年
  • 巻数:全13巻

性格に難がある主人公の高校生・響が、人々との衝突を繰り返しながらも小説を書く才能が周囲に少しずつ見出され、文学界に革命を起こす青春ストーリーです。とにかく響が破天荒で周囲を振り回すのですが、圧倒的な才能で理屈を捻じ曲げていくという爽快感がある作品です。

漫画としては他にあまり例がない「小説家」や「編集者」の目線で描かれる物語で、作家の葛藤や苦悩が繊細に描かれているので、自分が読んでいる本がどれだけの苦労が積み重なって世の中に出たのか、とても考えさせられる作品です。

BEASTERS(2018年)

  • 作画・原作:板垣巴留(いたがき ぱる)
  • 掲載誌:週刊少年チャンピオン
  • 連載期間:2016年ー2020年
  • 巻数:全22巻

肉食獣と草食獣が共存する世界で、ハイイロオオカミの主人公レゴシが肉食獣としての理性と本能の狭間で悩みながら、友情や恋愛などの青春を育む物語です。

現代社会における差別問題にも通ずるような、肉食と草食の種族間の違いによって生まれるさまざまな問題を繊細に描いており、自身の肉食としての本能と上手く向き合おうともがき苦しむ、レゴシの心理描写に引き込まれます。また、多種多様な動物たちが日常を送るために行っている工夫やそれぞれの性格など、動物について知ることが出来るのも魅力の一つです

彼方のアストラ(2019年)

  • 作画・原作:篠原健太
  • 掲載誌:少年ジャンプ+
  • 連載期間:2016年-2017年
  • 巻数:全5巻

宇宙への往来が当たり前になった近未来で、惑星キャンプに旅立った主人公カナタをはじめとする9人の高校生たちが、予測不能の出来事に巻き込まれるSFサスペンス漫画です。

少ない巻数ながらも序盤から多くの伏線が散りばめられており、コメディ調の展開から急にゾッとする展開になるなど、予測がつかないストーリーについ続きが気になってしまう漫画です。どの伏線もきれいに回収されるのでミステリアスな物語をサクッと楽しみたい人は、必読の作品です。

ブルーピリオド(2020年)

  • 作画・原作:山口つばさ
  • 掲載誌:月刊アフタヌーン
  • 連載期間:2017年-
  • 巻数:12巻(続巻)

日常に虚無感を覚えていた不良であり秀才の矢口八虎が、美術の面白さに目覚め東京藝術大学を目指し奮闘する、青春群像劇です。

美術がテーマでありながら、スポ根漫画のように熱くなれる要素が多く、心に深く染み入る名言たちに思わずハッとさせられます。美しくも残酷な美術の世界で、夢に向かって本気で挑み続ける若者たちに、感銘を受ける人も多いのではないのでしょうか?

葬送のフリーレン(2021年)

原作:山田鐘人(やまだ かねひと)

  • 作画:アベツカサ
  • 掲載誌:週刊少年サンデー
  • 連載期間:2020年-
  • 巻数:9巻(続巻)

勇者たちと共に魔王を倒し、パーティを解散したエルフの魔法使いフリーレンが、寿命による仲間たちとの死別をきっかけに、命の尊さと向き合いながら冒険するファンタジー漫画です。9月に葬送のフリーレン アニメ化されることが決定し、放送が心待ちにされている作品です。

命の尊さに向き合う物語の中で、読者にも命について深く考えさせられる描写があったり、勇者がフリーレンに残した言葉に思わず涙してしまいます。思わず目を背けてしまいがちな「命」というテーマに、素直に向き合わさせてくれる作品です。

ダーウィン事変(2022年)

  • 作画・原作:うめざわしゅん
  • 掲載誌:月刊アフタヌーン
  • 連載期間:2020年-
  • 巻数:4巻(続巻)

人間とチンパンジーの間に生まれた主人公チャーリーが、過激派の動物愛護団体「ALA」が起こすテロ行為にあらぬ形で巻き込まれ、現代社会の多様な価値観の違いを突き付けられる社会派ドラマです。動物の権利や採食主義者など、漫画ではあまり扱われることのないテーマで物語が展開し、読者にも他人事とは思わせない強いメッセージ性があるのが本作の魅力です。読者によって作品の捉え方が変わる、多様な価値観がある現代だからこそ読んでおきたい作品です。

まとめ

今回は、これだけは読んでおきたいマンガ大賞 歴代受賞作品を紹介しました!

葬送のフリーレン アニメが制作決定したように、今流行りの作品から色あせることのない過去の人気コミックまで、様々なテーマで描かれる作品ばかりでしたね。

以前から気になっていた作品や、本記事で興味が湧いた作品があれば、ぜひ手とって読んでみてください!

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