サイバー攻撃は、インターネットの向こうから常にあなたを狙っています。近年、企業や組織がサイバー攻撃によって甚大な被害を受けたというニュースが頻繁に報道され、見聞きしたことがある人も多いのではないでしょうか。
実はインターネットを使っている人であれば、誰もがサイバー攻撃の標的になる危険性があるのをご存じですか?
今回は、サイバー攻撃とはどのようなものなのか、身守るために知っておくべき対策方法などを解説します。
サイバー攻撃とは
サイバー攻撃とは、サーバーやパソコンなどの情報システムに対しネットワークを通じてさまざまな損害を与える行為です。企業や組織、個人から国家とあらゆる者を攻撃対象にし、「情報漏洩」「データ改ざん」「システム破壊」「金銭の詐取」といった危害を加えます。かつてサイバー攻撃は愉快犯が大多数を占めていましたが、近年のハッカーは「機密情報の売買」「金銭目的」「企業や国家などの弱体化」といった目的が明確であることが多いとされています。
代表的な10種類のサイバー攻撃
まず、サイバー攻撃がどのようなものなのかを知っておきましょう。ここでは、10種類の代表的なサイバー攻撃を簡単にご紹介します。
①標的型攻撃
特定の組織やユーザー層に対して行う攻撃です。悪意のあるファイルやURLを添付したメールを送信し、マルウェアに感染させます。
②ランサムウェア
トロイの木馬としてパソコンやスマホに侵入する、身代金要求型マルウェアです。ユーザーのデータを使用不能にし、データ復元を名目に身代金を要求します。
③Emotet(エモテット)
マルウェアの媒介を目的としたプログラムです。メールの添付ファイルから侵入してパソコンから情報を盗み、ランサムウェアなどのマルウェアに感染させます。
④APT攻撃
特定の組織に対し、長期間にわたって行われる高度標的型攻撃です。「Advanced Persistent Threat」の略称で、組織や企業などへ持続的に損害を与えます。
⑤ゼロデイ攻撃
パソコンやスマホの脆弱性(セキュリティホール)を狙った攻撃です。修正プログラムが公開されていない脆弱性を悪用し、システムの乗っ取りなどを行います。
⑥DDoS攻撃
複数の攻撃用マシンを使用して行われる攻撃です。複数の他人のパソコンを不正に経由して、一斉に攻撃対象へ過剰な負荷を与えて機能停止させます。
⑦キーロガー攻撃
パソコンやスマホのキーボード操作を不正に記録するプログラムです。個人情報を盗み取ったり、システム内部でやり取りされる情報を取得して悪用します。
⑧クリックジャッキング
Webブラウザに罠を仕掛けて悪意のあるURLに誘導させる攻撃です。通常のページに不可視リンクをかぶせ、クリックさせることで悪意のあるWebサイトにアクセスさせます。
⑨ビジネスメール詐欺
取引先を装って金銭をだまし取る詐欺行為です。マルウェアなどで企業情報を不正入手して取引先になりすまし、送金取引などの資金を詐取します。
⑩フィッシング詐欺
実在する金融機関などを装って個人情報を盗み取る詐欺行為です。本物そっくりな偽のWebサイトに個人情報などを入力させ、口座やクレジットカードから金銭を詐取します。
サイバー攻撃の対策方法
サイバー攻撃にはどのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは、サイバー攻撃から身守るための対策を3つご紹介します。
OSやソフトウェアを最新バージョンに更新する
OSやソフトウェアは最新にアップデートしましょう。更新にはバグ修正以外にも、セキュリティ上の欠陥を修正する内容も含まれています。
もし更新せずに放置すると、システムが無防備な状態となり、サイバー攻撃に狙われるリスクが非常に高くなります。そのため、OSやソフトウェアは常に最新バージョンに保つようにする必要があるのです。
セキュリティ対策ソフトを導入する
セキュリティ対策ソフトの導入は最も有効な対策方法です。マルウェアはもちろん、インターネットのあらゆる脅威からデバイスを保護します。
危険なソフトウェアやURLなども検出してくれるため、サイバー攻撃の被害を未然に防ぐためにもセキュリティ対策ソフトは必須と言えるでしょう。
不審なメールやWebサイトは開かない
不審なメールやWebサイトは絶対に開いてはいけません。サイバー攻撃はウイルス付きメールや悪意のあるURLなど、日常的に使用するものを利用して攻撃します。
もし危険なメールやWebサイトをクリックしてしまうと、マルウェアに感染してサイバー攻撃の被害に遭ってしまいます。そのため、身覚えのないメールや怪しいURLは安易にクリックしないようにしましょう。
最後に
ハッカーは個人も狙っており、情報漏洩といった被害は他人事ではありません。日頃からサイバー攻撃のリスクについて考え、しっかりと対策を施してインターネットを安全に利用しましょう。