2023年、中古車販売会社・ビッグモーターの保険料水増し請求をはじめ、数々の不正や不祥事が明らかになりましたね。これを受け、前社長の兼重宏行氏が辞任。新社長に和泉伸二氏が着任しました。和泉新社長は早速、「本気の風土改革」と名付け、ビッグモーターの全社員宛てにメールを送信。和泉新社長が考える本気の風土改革とは何なのか、調査してみましょう。
まずはおさらい！ビッグモーター騒動まとめ
- 保険料水増し請求
- 過度なノルマ設定と罰金制度
- 上司から部下へ、LINEでのパワハラ発言
- 街路樹問題
- 車検記録の改ざん
無傷の車両を故意に傷つけるなどして、その修理費用を保険会社に不正請求していた問題。2021年に、内部告発によって明らかになったそうです。それから、ビッグモーターと取引のある保険会社が調査を進め、大々的に報道されるまでに至ったのですね。それ以降、保険料の水増し請求が行われるきっかけとなった「過度なノルマ設定」「罰金制度」そして「上司からのパワハラ」など、芋づる式に発覚した疑惑は山積みに。対処しきれないほどの大問題になってしまいました。
社長交代！「本気の風土改革」とは？
前任の兼重宏行社長が、自らの責任を取って退任。兼重前社長も、パワハラに関わっていたという報道もなされており、「知らなかった」では済まされないとこまで、問題が根深くなっていました。そして、後任として着任したのが和泉伸二新社長。まず、和泉新社長がビッグモーターの全社員宛てに送ったメールを抜粋して見てみましょう。
この度はBP部門の不正請求問題に端を発し、様々な報道により現場に混乱を招き、多くのお客様の信頼をなくしてしまったことに対して会社を代表して本当に申し訳なく謝罪をさせて頂きます。誠に申し訳ありませんでした。（中略）記者会見でも発表した通り、今後は新体制で再出発していきます。まず私が思っていることはこの難局を乗り切るためには本気の風土改革を行い社員全員がしっかりとお客様の方を向いて仕事ができるようにバックアップさせて頂くことが我々の使命だと思っています。（中略）改革の第一弾としてまず全店のLINEの使用をすべて止めることにします。会社支給携帯に入っているLINEのアカウント削除をしてください。今後の連絡網については取りあえず営業支援システムの社内メッセージにて行います。尚、社員同士の個人的の繫がりに関しましては各人の判断使用でお願いします。
賛否両論！本気の風土改革第一弾が「LINE削除」
和泉新社長が提示した本気の風土改革、その1発目がLINEの削除だったことに対し、「証拠隠滅を図りたいだけでは」という批判の声も相次ぎました。ビッグモーターの社員からも、「本気で改善したいなら、まずすべきはLINEの削除ではないはず」と苦言を呈するなど、多方面から疑問視されているようですね。
LINE削除で今後の調査はどうなる？証拠は？
和泉新社長はLINEの削除について、「今後パワハラの捜査を進めていくにあたり、メッセージの証拠等が必要になるのでは？」と記者から質問されると、「該当者はスクリーンショットなどを保存していると思うので、それ以外は削除して問題ない」と回答。捜査に影響がないようにすると語っていたものの、その対応にはいまだ疑問の目が向けられています。
「社長が変わっただけで会社は変わらない」
ビッグモーターの社員からは、社長が、前社長から別の経営陣メンバーに変わるだけでは、会社が変わることはないだろうと絶望の声も上がっているのだそう。経営陣は、保険料の水増し請求につながった「車両を故意に傷つける行為」を黙認、もしくは指示していたともされており、基本的には兼重前社長と同じ方針を持っていると考えられているのだそうですよ。
まとめ
ビッグモーター 評判はどうなってしまうのか、巻き返すために行われた、和泉新社長の会見と本気の風土改革。第一弾はLINEの削除ということで、世間からすれば雲行きの怪しいスタートを切ることになりました。果たして、この和泉新社長の決断が吉と出るのか、凶と出るのか…ビッグモーターの今後に、注目が集まっています。
