7月16〜25日の日程で、アメリカ・オレゴン州ユージーンのヘイワード・フィールドで開催される第18回世界陸上競技選手権大会。通称・オレゴン22とも呼ばれている同大会に、今年も多くの日本人選手が出場します。
そこで今回は、世界陸上への出場が内定している日本人選手の中で、特に注目すべき選手をご紹介します。
世界陸上出場条件まとめ
まずは、世界陸上に出場するための条件をまとめます。
トラック&フィールド種目(マラソン・競歩を除く)については、
- 参加標準記録突破者
- 日本選手権3位以内に入った選手
この条件を満たせば即内定となり、日本選手権終了翌日の6/13に内定者として一次日本代表が発表されました。
さらに二次発表以降は
- 日本選手権後から参加標準記録の有効期間6/28までに参加標準記録を突破した選手で、日本選手権3位以内に入っている選手
- 日本選手権3位以内でワールドランキングにより出場資格を得た選手
これらの選手が優先して代表内定となります。
一次発表以降の日本代表については、6/29に世界陸連から「出場資格を得た選手」が発表され、30日以降に二次日本代表として決定されることとなっています。
世界陸上日本代表・一次発表選手まとめ
ここからは6/13に発表された、世界陸上日本代表選手10名をご紹介します。
男子8名
種目 | 氏名 | 所属 | 資格記録 | 生年月日 | 過去出場年 |
100m | サニブラウン アブデルハキーム | TumbleweedTC | 10.04 | 1999/03/06 | 2015年 2017年 2019年 |
5000m | 遠藤 日向 | 住友電工 | 13:10.69 | 1998/08/05 | 初出場 |
110mハードル | 泉谷 駿介 | 住友電工 | 13.28 | 2000/01/26 | 2019年(当日欠場) |
村竹 ラシッド | 順天堂大学 | 13.27 | 2002/02/06 | 初出場 | |
400mハードル | 黒川 和樹 | 法政大学 | 48.89 | 2001/06/17 | 初出場 |
3000m障害物 | 三浦 龍司 | 順天堂大学 | 8:09.92 | 2002/02/21 | 初出場 |
青木 涼真 | Honda | 8:20.09 | 1997/06/16 | 初出場 | |
走幅跳 | 橋岡 優輝 | 富士通 | 8.27 | 1999/01/23 | 2019年 |
女子2名
種目 | 氏名 | 所属 | 資格記録 | 生年月日 | 過去出場年 |
1500m | 田中 希実 | 豊田自動織機 | 3:59.19 | 1999/09/04 | 2019年 |
5000m | 14:59.93 | ||||
5000m | 廣中 璃梨佳 | JP日本郵政G | 14:52.84 | 2000/11/24 | 初出場 |
日本代表・最注目の3選手
日本代表選手は全員注目ですが、その中でも特に注目の3選手をご紹介します。
注目選手①:橋岡優輝(男子走幅跳/富士通)
主な戦歴
- 2019年 カタールアジア選手権 優勝
- 2019年 日本選手権 優勝
- 2019年 イタリアユニバーシアード 優勝
- 2019年 ドーハ世界陸上 8位
- 2020年 セイコーゴールデングランプリ東京 優勝
- 2020年 日本インカレ 優勝
- 2021年 東京五輪 6位
昨年開催された東京五輪の走幅跳で日本人初の決勝進出と6位入賞を果たした、橋岡優輝選手。今シーズン左足を痛め、競技に復帰することができたのも6月に入ってからとのことで、世界陸上までにしっかり治して、万全の状態で臨んでもらいたいですね。
世界陸上に向けては「順位や記録を気にしないで、本当に楽しみたいなと思っている。パリ五輪まで、あと2年あるので、オレゴンは、ちょっといいきっかけをつかむと同時に楽しめればいいなと思っている。」と前向きに話をしてくれています。
余談ですが、サッカー選手で現在ベルギーで活躍する橋岡大樹選手は、実兄にあたります。
注目選手②:三浦龍司(男子3000m障害物/順天堂大学)
主な戦歴
- 2020年 全日本大学駅伝 1区 区間賞
- 2021年 日本選手権 3000メートル障害 優勝
- 2021年 東京五輪 3000メートル障害 7位
東京五輪では、3000m障害の日本記録を樹立。これまでも1500mの日本人学生記録、3000mの日本人学生記録、U20日本記録、ハーフマラソンのU20日本及びU20アジア最高記録とさまざまな日本記録、アジア記録を樹立し続けてきた、三浦龍司選手。
大学生ながら出場した東京五輪での経験も非常に大きかったようで、その後の大会でも好記録を連発しています。世界陸上に向けては「この1年、世界陸上で戦うことを目標にしていたので、やっとスタートラインに立つことができたという気持ちだ。短い期間でしっかりと自分なりに仕上げて、万全の状態で戦いたい。通過点だと思うので、収穫があるように挑んでいきたいし、周りの雰囲気や選手に流されることなく、積極的に自分らしいレースをしていきたい」と心強いコメントを残してくれています。
注目選手③:田中希実(女子1500m、5000m/豊田自動織機)
主な戦歴
- 2018年 アジアジュニア選手権 3000m 優勝
- 2018年 U-20世界選手権 3000m 優勝
- 2019年 世界選手権(カタール・ドーハ)5000m 14位
- 2020年 日本選手権 1500m 優勝・5000m 優勝
- 2021年 日本選手権 800m 3位・1500m 優勝・5000m 3位
- 2021年 東京五輪 1500m 決勝進出(8位入賞)・5000m 出場
先日の日本選手権では、800mを2分04秒51(2位)で駆け抜けた、その約1時間後には5000m決勝に出場。ライバル選手との熾烈な争いの中、残り1周となったところで強烈なスパートを放ち、後続を一気に引き離して、15分05秒61で2年ぶりの優勝に輝きました。1つの大会で複数の種目に出場すること自体が大変な中で、1時間程度しか休憩時間が取れない中で素晴らしいパフォーマンスが発揮できるのが田中選手の強さですよね。
世界陸上については、13日に行われた日本代表内定者による会見で「自信を持って楽しむことを最後までできるようにしたいし、日本選手権を上回るようなレースをしたい」と意気込みを話してくれました。
レースに出場すれば毎回のように日本記録を樹立し、圧倒的な力を見せつけてきた田中希実選手。世界陸上2022でも、日本記録を更新する走りが期待されます。
最後に
徐々に代表選手も発表され、世界陸上の開幕が待ち遠しいですよね。今回は3選手のみの紹介でしたが、次回以降追加の代表選手が発表され、全選手が揃った中からさらに注目の選手もご紹介していきます!日本人選手が世界の強豪選手にどう立ち向かっていくのか、その中で勝っていくのか、非常に楽しみです!